2010年11月11日

スラダンの彦一はここからきたのかな?

むかしむかし、彦一(ひこいち)と言う、とてもかしこい子どもがいました。
 小さい頃から頭が良くて、ずいぶんととんちがきくのですが、大が付くほどのお酒好きです。
 彦一の夢は、毎日たらふく酒を飲むことです。
「なにかうまい知恵は、ないものか?」
 考えているうちに、ふと、テングの隠れみの(→それをかぶると姿が消える、テングの宝物)のことを思い出しました。
 テングは、村はずれの丘に、ときどきやってくるといいます。
 彦一は、ごはんをたくときにつかう、火吹き竹(ひふきだけ)を持って丘にくると、
「やあ、こいつはええながめだ。大阪や京都が、手にとるように見える。見えるぞ」
 そういいながら、火吹き竹を、望遠鏡(ぼうえんきょう)のようにのぞいていると、マツの木のそばから声がしました。
「彦一、彦一。のぞいているのは、かまどの下の火を吹きおこす、ただの火吹き竹じゃろうが」
 声はしますが、目には見えません。
 テングが近くにいるのです。
「これは、火吹き竹に似た、干里鏡(せんりきょう)じゃ。おお、京の都の美しい姫がやってきなさったぞ。牛に引かせた車に乗っておるわ」
「京の都の姫だと? 彦一、ちょっとでよいから、わしにものぞかせてくれんか」
 テングは、彦一のそばにきたようすです。
「だめだめ。この千里鏡は、うちの宝物。持って逃げられては大変じゃ」
 そのとたん、目の前に大きなテングが姿を現しました。
「大丈夫、逃げたりはせん。だけど、そんなに心配なら、そのあいだ、わしの隠れみのをあずけとこう」
「うーん、それじゃ、ちょっとだけだぞ」
 彦一はすばやく隠れみのを身につけると、さっさと逃げ出しました。
 テングは、火吹き竹を目にあててみましたが、中はまっ暗でなにもうつりません。
 だまされた! と、気がついたときには、彦一の姿は影も形もありませんでした。
 隠れみのに身を包んだ彦一は、さっそく居酒屋(いざかや→お酒をだす料理屋)にやってくると、お客の横に腰をかけ、徳利(とっくり→お酒の入れ物)のまま、グビグビと飲みました。
 それを見たお客は、ビックリして目を白黒させます。
「とっ、徳利が、ひとりでに浮き上がったぞ!」
 たらふく飲んだ彦一は、ふらつく足で、家に帰りました。
「これは、べんりな物を手に入れたわ」
 隠れみのさえあれば、いつでも、どこでも、好きな酒を飲むことができます。
 つぎの朝。
 きょうも、ただ酒を飲みにいこうととび起きた彦一は、大事にしまいこんだ隠れみのが、どこにもないことに気がつきました。
「おっかあ。つづら(エロチャットを入れるカゴ)の中にしまいこんだ、みのを知らんか?」
「ああ、あのきたないみのなら、けさがた、かまどで燃やしたわ」
「な、なんと!」
 のぞきこんでみると、みのはすっかり燃えつきています。
 彦一はぶつくさいいながら、灰をかき集めてみると、灰のついた手の指が、見えなくなりました。
「ははん。どうやら、隠れみのの効果は、灰になってもあるらしい」
 体にぬってみると、灰をぬったところが透明になりました。
「よし、これで大丈夫だ。さっそく酒を飲みに行こう」
 町では、昼間から酒を飲ませている店がありました。
 彦一はさっそく、お客のそばにすわると、徳利の酒を横取りしました。
 それを見たお客は、「わっ」と、ひめいをあげました。
「みっ、見ろ。めっ、目玉が、わしの酒を飲んでる!」
 隠れみのの灰は、目玉にだけはぬってなかったのです。
「ばけものめ、これをくらえ!」
 お客は、そばにあった水を彦一にかけました。
 するとどうでしょう。
 からだにぬった灰がみるみる落ちて、はだかの彦一が姿を現しました。
「あっ! てめえは、彦一だな! こいつめ、ぶんなぐってやる!」
「わっ、悪かった、許してくれー!」
 彦一はそういって、すっぱだかのまま逃げ帰ったそうです。




posted by 昔から話 at 15:52| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年09月08日

この伝説の話はあまりにも有名

用明天皇の時代の頃。花川戸周辺に浅茅ヶ原と呼ばれる地があり、奥州や下総を結ぶ唯一の小道があったが、宿泊できるような場所がまったくない荒地で、旅人たちは唯一の人家であるあばら家に宿を借りていた。この家には老婆と若く美しい娘が2人で住んでいたが、実は老婆は旅人を泊めると見せかけ、寝床を襲って石枕で頭を叩き割って殺害し、亡骸は近くの池に投げ捨て、奪った金品で生計を立てるという非道な鬼婆だった。娘はその行いを諌めていたが、聞き入れられることはなかった。

老婆の殺した旅人が999人に達したある日、1人旅の稚児が宿を借りた。老婆は躊躇することなく、寝床についた稚児の頭を石で叩き割った。しかし寝床の中の亡骸をよく見ると、それは自分の娘だった。娘は稚児に変装して身代わりとなり、自分の命をもって老婆の行いを咎めようとしていたのだった。

老婆が自分の行いを悔いていたところ、家を訪れていた稚児が現れた。実は稚児は、老婆の行いを哀れんだ浅草寺の観音菩薩の化身であり、老婆に人道を説くために稚児の姿で家を訪れたのだった。その後は、観音菩薩の力で竜と化した老婆が娘の亡骸とともに池へ消えたとも、観音菩薩が娘の亡骸を抱いて消えた後、老婆が池に身を投げたとも、老婆は仏門に入って死者たちを弔ったともいわれている。


この伝説とても好きです。鬼婆のイメージそのものなので昔から山に住んでる婆様は怖いというイメージが定着しちゃってます(^^ゞ
これから山荘などを見つけたら試しに泊まってみたらどうでしょうか?
posted by 昔から話 at 15:01| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年08月06日

一月のお話みたいです

むかしむかし、人間も生まれていない、大むかしのある年の暮れの事です。
 神さまが、動物たちに言いました。
「もうすぐ正月だ。元旦には、みんな私の所に来なさい。そして、先に来た者から十二番目までを、その年の大将としよう」
 ところが、うっかり者のネコは集まる日を忘れたので、友だちのネズミに聞きました。
 するとネズミは、
「ああ、新年の二日だよ」
と、わざとうそを教えました。

 さて、元旦になりました。
 ウシは足が遅いので、朝早くに家を出ました。
 ちょっかり者のネズミは、こっそりウシの背中に乗って神さまの前に来ると、ピョンと飛び降りて一番最初に神さまの前に行きました。
 それでネズミが最初の年の大将になり、ウシが二番目になりました。
 その後、トラ・ウサギ・タツ・ヘビ・ウマ・ヒツジ・サル・ニワトリ・イヌ・イノシシの順になりました。
 ところがネコは、ネズミに教えられた通り二日に神さまの所へ行きました。
 すると神さまは、
「遅かったね。残念だけど、昨日決まったよ」
と、言うではありませんか。
 くやしいのなんの。
「ネズミめ、よくも騙したな!」
 怒ったネコは、それからずっと、ネズミを見ると追いかける様になりました。
posted by 昔から話 at 12:59| 昔話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

広告


この広告は60日以上更新がないブログに表示がされております。

以下のいずれかの方法で非表示にすることが可能です。

・記事の投稿、編集をおこなう
・マイブログの【設定】 > 【広告設定】 より、「60日間更新が無い場合」 の 「広告を表示しない」にチェックを入れて保存する。


×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。